小説家にとって、執筆活動はメインとなる仕事です。
執筆活動をするためには、日頃からネタを考えたり, 参考となる図書を読んだり, 編集部の人と打ち合わせをしたり、執筆活動をするだけでも様々なことを同時に行う必要があります。
そんな忙しい小説家には、執筆活動以外にもお仕事があります。小説家の主たる仕事の内容やお給料については、前回記事の「小説家のお仕事!毎年何人の作家さんがデビューして、どんな給料形態で働いてるの??」で紹介したので、今回は執筆活動以外の仕事について紹介していきたいと思います。
執筆活動だけでさえ忙しい小説家ですが、雑誌のインタビューやイベントの講演に加え、テレビの出演などのお仕事もされています。特に、文学賞や新人賞を受賞された作家さんについては、こちらの仕事が多くなるでしょう。そもそも小説家の収入は、小説の印税だけでなく講演料や出演料も大事な収入源ですので、執筆活動以外の仕事が舞い込んでくるようになることは重要です!
私も以前、プロの小説家の方にイベントへの登壇をお願いしたことがありますが、50万円 + 交通費といったギャランティーをご提示いただいたこともありました。
また、あまり経済的に余裕がない高校などで講演を行う場合には、1時間あたり10万円のギャラで受けたりすることもあるそうです。
こうした人前で話すようなお仕事は、もちろん作家さん自身の収入を増やしたり、発売した書籍が売れるようにしたりする販促目的でも行いますがそれだけではありません。
特に学校などでの講演では、そのお話を聞いたのをきっかけに作家という職業に興味を持ってくれる学生さんが現れたり、執筆の技術を受け継ぐことで次世代の作家を育てることにつながるため、『後世を育てる』という意味でも非常に重要なお仕事になっています。
上記のような活動までしているお忙しい作家生活ですが、プロの小説家はどんな1日を過ごしているのか気になりますよね。
有名作家さんの1日が紹介されている資料があったので、紹介していきたいと思います。
執筆にイベント登壇などと忙しいプロの小説家の方は、1日どのくらい執筆活動に時間を割いているのでしょうか。 今回は、有名な小説家の1日のスケジュールが載っているTHE DAILY ROUTINES OF FAMOUS CREATIVE PEOPLEから村上春樹先生とカート・ヴォネガット先生のスケジュールを抜粋しました。
このお二人のスケジュールに共通している点が、早寝早起きの生活リズムで、起床後すぐに執筆活動に励むところです。今回この記事を書くにあたり様々な作家さんの1日を調査してみましたが、このお二人以外の方も「基本的に起床後すぐに執筆活動をする」という方が多い印象でした。これはおそらく、起床後がクリエイティブな作業に最も向いているなのかもしれません。あのメンタリストで有名なDaiGoさんも「脳は朝起きてから2時間の間にもっともクリエイティブな力を発揮するもの」と自身の著書で語っているそうです。
私がそうなのですが夜遅くまで起きてしまいがちなので、これを機に皆さんも朝型の執筆活動を試してみるのはいかがでしょうか?
もしかしたら、いつも以上に頭が冴えて良い執筆アイデアが閃くかも・・・!
私も明日はできるだけ早起き頑張ってみたいと思います。はい。
高い目標を掲げたところで、最後に、プロの作家になるために必要なことや、どんな道筋で進めばいいのかを実例を含めてご紹介していきたいと思います!
これまで小説家の仕事内容や1日のスケジュールについて、記載してきました。そんな小説家の方は、どのような経歴をお持ちなのでしょうか?
今回は、「キノベス!2019」に選ばれた作家さんや、芥川賞作家さんの辿ってきた経歴から学んでいきたいと思います。
キノベスは、1年以内に出版された新刊を対象に、紀伊國屋書店で働くスタッフがお客様に全力でお勧めする書籍をランキング化したものだそうです!そんな中から、キノベス!2019の1位と2位に選ばれた小説家さんの経歴から、どんな学歴でどんな道を辿ってプロになったのか紐解いていきましょう。
※作品の詳細については、「キノベス!2019」をご覧ください。
新潮社の著者プロフィールによると、
瀬尾まいこ先生は、1974(昭和49)年に大阪府で誕生。2001(平成13)年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビューされたそうです。
最終学歴としては、大谷女子大学を卒業されており、もともとは教師を目指されていたとの情報も。しかし結果的には、大谷女子大学の国文科を卒業されているということなので、高校3年生の時点では既に、小説家を目指すことを決意していたのかもしれません。
一般的に、国文科では日本文学を中心的に、日本文学講読などの科目で「万葉集」や「太宰治」などを幅広く勉強したり、日本文学史や日本文学概論、日本語文法などでより深く日本語の歴史や文法を学びます。
そのため、日本語を紡いで物語を生み出す小説家になるための基礎学力や執筆基礎体力を身につけるために進学するといった目的だったのかもしれません。(ただ単に日本語が好きでもっと知りたい!という可能性も全然ありますが・・・。)
平野啓一郎先生の公式HPによると、 平野啓一郎先生は、1975年愛知県蒲郡市生に誕生。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。これが、40万部のベストセラーとなったそうです。
最終学歴としては、京都大学法学部を卒業されているそうです。子供の頃は、外で野球やサッカーをするのが好きだったそうで、意外にも読書は嫌いだったそうです。これは大変意外ですね。しかも文学部ではなく法学部出身ということなので、小説家になるにはそれにあった大学の学部というのは絶対的には必要ないのかもしれません。
ここまでで「キノベス!2019」に選ばれた小説家の経歴について紹介しました。偶然にも、今回ご紹介したお二人とも4年生大学の出身のようでしたが、具体的にどこの大学が多くのプロ小説家を排出しているのでしょうか?
気になったのでこちらも調査してみました。
芥川賞を受賞した小説家の最終学歴をランキング形式にしてみると、
1位 早稲田大学
・卒業生:①朝井リョウ、②村上春樹、③池上永一
・代表作:①「桐島、部活やめるってよ」 、②「ノルウェイの森」、③「テンペスト」
2位 東京大学
・卒業生:①冷泉彰彦、②田丸雅智、③佐藤亜有子
・代表作:①「トロイの木馬」、②「海色の壜」、③「東京大學殺人事件」
3位 慶應義塾大学
・卒業生:①水野敬也、②竹田恒泰、③春口裕子
・代表作:①「夢をかなえるゾウ」 、②「語られなかった皇族たちの真実」、③「火群の館」
いずれも名門校ばかりですね。やはり、小説家の方は頭のいい人が多いのでしょうか・・。
しかし、全員が全員、小説家の人が名門校出身ばかりではないはずです!最後に、小説家のための専門学校を地域別に調査しましたので、ご紹介します。
こちらは、東京都新宿区にある小説家を目指す人向けの専門学校です。映画・ミュージックビデオ・アニメ・小説の分野で活躍できるクリエイターの創出を目的とした専門学校で、学科の一つに小説創作科があります。実際に活躍されている卒業生としては、「転生したら剣でした」で有名なライトノベル小説家の棚架ユウ先生がいらっしゃいます。
こちらの学校では、大手出版社の編集者や作家が直接、プロットや原稿を添削指導してくれるそうです!このような伝手があるためか、なんと学内プロットコンペを行い、学生作品の書籍化のために出版社に持ち込むといったバックアップもしてくれるそうです!書籍化については、新人賞を受賞するよりもハードルは少し下がりそうな印象です。
そんな東放学園映画専門学校の2019年の説明会日程は、11/16(土)と12/14(土) だそうです。おそらく、毎年この時期あたりに開催していると思われますので、興味がある方は、一度説明会へ赴いてみてはいかがでしょうか!?
こちらは、大阪市淀川区にあるエンタテインメント業界のプロが創設した学校だそうです。ノベルス文芸学科では2年次に、ライトノベル専攻、文芸小説専攻、アニメ・ゲーム・シナリオ専攻の計3つから1つの専攻を選択できるため、自身のジャンルにあった教育を受けることができます!
活躍されている卒業生としては、ファミ通文庫で「モンスターハンターフロンティアG 灼熱の刃」を手掛ける氷上慧一先生がいらっしゃいます。
そんな大阪アミューズメントメディア専門学校の2019年のオープンキャンパス時期は、11/2(土)と11/17(日) だそうです。このオープンキャンパスではなんと、ドラマ化された「婚活刑事」の作者である安道先生によるストーリー作り講座もあるようです!
こちらは、名古屋市中村区にある専門学校で、「日本デザイナー学院」にあるマンガコースが母体だそうです。こちらの学校も現役プロの実践的な指導が魅力です。特に、2004年よりライトノベルの評論家として台頭し、「ライトノベル新人賞の獲り方」や「ライトノベルのための正しい日本語」など数々のライトノベルの書き方に関する本を出版された榎本秋先生が授業を監修しているそうです!
日本マンガ芸術学院には全部で4つのコースがあり、小説クリエイトコースが小説家を目指す方向けの学科となります。
そんな日本マンガ芸術学院では、11/23 (土), 12/7 (土), 12/21(土) にて1日体験入学もでき、キャラクターをチョイスして物語の創作体験、ストーリー創作レッスンなどを受けることができるそうです。また、学校見学については、平日であれば毎日実施しているそうです!
是非、興味を持たれた方は、見学してみてはどうでしょう。
いかがでしたでしょうか。
小説家の仕事内容や1日のスケジュールに加え、プロの小説家の経歴や小説家を目指す方向けの専門学校についてご紹介しました。
少しでも小説家を目指す皆さんの参考になったら幸いです。
また、もし参考になるようであればTwitterなどへの記事のシェアをしていただけますと幸いです。
今後の皆様の執筆活動の益々のご発展を祈っております。
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