読まれるラノベや小説の基本!執筆前のGTRSが読者の心を掴む
執筆前に決めておきたいGSRTとは|作家なら知っておきたい基礎知識
2018.01.20
 作家の基礎知識

読まれるラノベや小説の基本!執筆前のGTRSが、物語の道筋を定めて読者を増やす絶対法則



今回のレポートは、2018年1月8日に幻冬舎ルネッサンス新社で行われた「小説家を目指す人のための文章の書き方講座」で教わった内容を筆者の考察もふまえて数回に分けてご紹介します。

とはいえ、全部は紹介しきれないと思いますので、気になった方は無料で受けられますのでぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?(注:筆者は幻冬舎さんの回し者ではありません。笑)


さて、今回は「読まれる小説の基本!執筆前のGTRSが読者の心を掴むフレームワーク」と題して、文章を書く前に考えたいGTRSについて、まとめてご紹介します。


小説を書く前に重要なGTRPとは?

GTRSとは、「ゴール」「ターゲット」「リサーチ」「シェルフ」の頭文字をとったフレームワークで、プロの作家さんたちも読者に読まれるために重要視している項目です。

このGTRSをしっかり決めてから執筆することで、読者に『何を伝えたいか』、読者が『何を得られるか』を軸として持ち、ファンを獲得しやすい小説を執筆することができます。

つまり、GTRPとは、小説の本質がブレない一貫性のある小説を書き上げ、売れる(読まれる)小説を作る上で必要な4つの項目をまとめたものなのです。


GTRSでおさえたい4つの項目

では、GTRSを設定するときにどのようなことを気をつければいいのでしょうか??

ポイントをまとめてみました。

① G:ゴールの設定


「ゴール」の設定で大切なことは、 ”著者・著書の目的を明確にすること”と、 ”読者のゴールも明確にすること”です。

前者の"著者・著書の目的を明確にすること"では、著者がどんな物語を書いて何を伝えたいのかの軸を持つために、より具体的に決めておく必要があります。

後者の"読者のゴールも明確にすること"は、読み手にどんなゴールが明確化され、どこに向かって読めばよいか読者を導くために必要です。

こっちの軸をそもそも考えてない作家さんが多く、書籍の冒頭から「あれ?なんかバトルしてるけど、これって何をする物語なんだ?」と道に迷ってしまうこともよくあります。

ワンピースなどのヒット作では冒頭を読むだけで「大海賊の隠した大秘宝を見つけて、海賊王を目指す作品なんだ〜」と読者のゴールが明確化されているので、読む側としてもストーリー展開に置いてかれることもなく継続的に読者がつきやすくなっています。

誰でも一言で説明できる読者のゴールを、執筆前に設定することを心がけましょう。


② T:ターゲットの絞り込み

ターゲットを絞る、つまり、あなたの書籍の読者を絞り込むことは非常に大切です。

①で紹介した"ゴールの設定"と今回の"ターゲットの絞り込み"は、GTRSの中でも特に重要になってきます。


ターゲットの絞り込みというと、読者を狭めてしまうだけなのでは?という声も多いですが、実際は絞り込みを行った方が最終的な読者数が増えやすい傾向にあります。

絞り込むとは言ったものの規模感もそんなに小さくなるわけではありません。簡単に計算してみても、日本の人口を約1億人と置いた時、その中の1%の人に読んでもらえれば、それだけで 読者を100万人獲得できます。

高校のクラスメイトを思い出してみても、たかだか30人弱のクラス。そんな小さなコミュニティでも、色々な趣味嗜好を持つ人がいたと思います。そのクラスメイトのうち誰か1人にでもささるテーマで小説を書くことができれば、日本全体の規模感に換算し直すとミリオンセラーの可能性があるということになります。

なので、恐れずより具体的なターゲット設定をすることが、ファンを獲得していく第一歩です。


実際に、現状の小説投稿サイトで掲載されている多くの作品が、ターゲットの絞り込みをしっかりできていないが故に、ストーリーの軸がブレて読者がついてこない状態になっています。他のアマチュア作家さんよりも沢山の人に読まれたいのであれば、絞り込みこそ必要な要素なようです。


では、ターゲットの絞り込みはどのようにしていくのが効果的なのでしょうか?

その詳細は長くなってしまうので、「 現職のマーケターに聞いた!執筆前のターゲットの絞り方」で後日紹介します。


③ R:リサーチで規模を明確に

ターゲットを決める時に、同時に考えたいのが "想定の読者の規模感"です。

自分の書こうとしているジャンルには、どれくらいの読者がいるのかリサーチすることは大切です。

とは言え、マーケティング等を学んでいるのならまだしも、素人でいきなり読者の想定規模を算出するのは難しいものです。

もしリサーチをしっかり正確にやりたい場合は、この道のプロでもある出版社さんのお力を頂戴するのが良さそうです。幻冬舎さんのセミナーでは、無料個別面談の申し込みも可能なので、気になる方は足を運んで見ると良いと思います。


とは言え、書籍のセールスランキングや本屋での面出し書籍を観察すれば、自分でざっくりの読者規模を考えることはできるので、一度まとめてみると良さそうです。


④ S:シェルフを考える

この項目は、自費出版をする場合に考えておくべき項目です。 自費出版をする場合、どこの出版社に依頼するかの判断軸として、本屋に自分の書籍が並ぶ時にどこの棚に並ぶのか?をチェックすることが大切です。

どんなジャンルで書けば、どこの棚に並ぶのか?を考えておくことで、客目のつきやすい書棚にあなたの書籍を置いてもらえるので、ヒットにつながる可能性が高くなります。

ただ、この項目に関しては、自費出版等をする場合になるのでこの程度で終わりにします。


さいごに

いかがでしたか?

GTRSをしっかり考えられていた方も、いなかった方も参考になれば幸いです。

特に、テーマの軸決めとターゲットの設定は欠かせませんね。

この連載記事の次回1/27のテーマは、「出版社社員が語る!ベストセラーになるために重要な3Tとは? -前編-」です。


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一部画像提供元:JewelSaviorFREE( http://www.jewel-s.jp/