今回のレポートは、2018年1月8日に幻冬舎で行われた「小説家を目指す人のための文章の書き方講座」で教わった内容を筆者の考察もふまえて数回に分けてご紹介します。
とはいえ、全部は紹介しきれないと思いますので、気になった方は無料で受けられますのでぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?(注:前回記事でもお伝えしましたが、この記事の筆者は幻冬舎さんの回し者ではありません。笑)
さて、今回は「出版社社員が語る!ベストセラーになるために重要な3Tとは? 」と題して、読者に手に取ってもらうために、文章を書く前に考えたい3つのポイントについて、前後編でご紹介します。
どんなに面白い小説を書いても、誰かに読んでもらわなければ、あなたの才能に誰も気づくことはできません。
最近では、せっかく感動的な小説を書いて小説投稿サイトに掲載をしても、他の作品に埋もれてしまってなかなか読んでもらえないことが多いそうです。
これは本屋でも同じことが言えます。
幻冬舎ルネッサンス新社さんの講座の内容によると、 年間75,000もの作品が出版されているそうです。
これは、日別で計算すると約200冊の本が毎日生まれているということ。そんなに沢山の書籍が、毎日本屋に並んで行くのですから、埋もれてしまうのもうなずけます。では、そんな大量の書籍の中から、読者にあなたの小説を見つけだしてもらうにはどうすれば良いのでしょうか。
そのポイントは、書籍を執筆する前の3つのTをちゃんと決めたか否かに大きく左右されるそうです。特に「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんなどの小説投稿サイトを使ってる方は、自分も含め参考になる点も多いと感じたので、ぜひ最後までお付き合いください。
読まれる書籍を書くための重要な3T一つ目は、小説の 「タイトル」です。
本屋でも、小説投稿サイトでもタイトルの露出がもっとも多いです。これは、当たり前と言えば当たり前なのですが、多くの作家さんがこの事実を軽視してる傾向にあります。本屋では、面出しされてる書籍を除くとほとんどの書籍が書棚に並んでいて、本屋に来た人が見るのは タイトルのみです。また、「小説家になろう」や「カクヨム」では、特集作品以外はタイトルのみが羅列されている状態です。つまり、読者があなたの作品を手に取るか否かはまず 読みたくなるようなタイトルにかかっています。
では、どんなタイトルにすれば読者の注目を集められるのでしょうか?
簡単になりますが、 「タイトルのつけかたテクニック」をご紹介します。
タイトル内で意外なワードをぶつけると、「どんな展開になるんだろう?」と読者の中に疑問や好奇心を生み、読んでもらえやすくなります。
最近ヒットしたライトノベルの「異世界はスマートフォンとともに。」や、2018年冬アニメの「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」などがこれに当てはまります。紹介した2作品のように“異世界もの”などのある程度固まったイメージのあるものに、全くそぐわない名詞を掛け合わせることで読者の興味を引くことができます。また、「レベル999の村人」など、普段フォーカスされることのない役職のキャラクターを大事にした小説も売れる傾向になるようです。
主人公に圧倒的な不利な状況は、どのように困難を乗り越えていくのか興味を沸かせる力があります。最近の売れているライトノベルでは、「転生したらスライムだった件」や「魔法科高校の劣等生」などのタイトルが近しいと思います。
読者の願望や欲望を含めたタイトルは、これまでもヒット作が多いです。
例えば、2017年冬アニメの「妹さえいればいい。」や「ありふれた職業で世界最強」など、圧倒的に強い主人公やモテる主人公、羨ましい環境などを想像させるタイトルは読み手の興味を掻き立てるようです。
タイトルが全く理解できないことも読者の心を掴みます。
2017年に映画化もされた「君の膵臓を食べたい」や「金色の文字使い」などはタイトルからわからないことが多く、「どんな物語なのだろう?」と読者の好奇心をくすぐります。
常識的でないタイトルは、④の謎系タイトル同様にストーリー性が気になり手に取ってもらいやすくなります。
最近売れているライトノベルの「治癒魔法の間違った使い方」などがこれにあたります。
上記の①〜⑤以外にも、「時間・数量限定系」や「あるある系」、「脅迫系」「暴露系」「キーワード系」など様々なテクニックがありますが、これらはHOW TO系の本やビジネス書でよく使われるものなので今回は割愛します。
いかがでしたか?
書籍のタイトルの重要性と様々テクニックを紹介してきましたが、最終的には著者の想いのこもったタイトルをつけてあげるのが一番だと思います。
今回紹介したようなテクニックを使わなくても、小説の中身を評価されて話題になる作品もたくさんあり、「ソードアートオンライン」や「掟上今日子」など特に文学系書籍やライトノベルにはよく見られます。ただ、今回紹介したようなテクニックを知っていることが大切だと思いますので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
次回は今回の記事の続き 「出版社社員が語る!ベストセラーになるために重要な3Tとは? -後編-」をお届けしますのでお楽しみに。
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一部画像提供元:JewelSaviorFREE( http://www.jewel-s.jp/)